伊豆大島火山の成り立ち
伊豆大島はどんな火山?
大島の火山はサラサラの溶岩を吹き出す日本には数少ない火山です。火山の噴火が島を作って来ました。
目の前の景色の成り立ちを考えてみると、 ダイナミックな地球の活動が見えてきます。
正面の山はいつ、どのように してできたのでしょう?
正面の山の黒い筋は何で しょう?
右側に続く壁は何でしょう?
大島火山の成り立ち
-大島町史自然編:東京都大島町、平成12年-
カルデラ形成と三原山
カルデラは約1300~1500年前に2回の大噴火によって形成されました。このような大噴火は100年から200年の間隔で繰り返し発生したことがわかっています。
最新の大噴火は1777年~1792年の安永大噴火で、「三原山」はそのときに誕生しました。
安永大噴火の後の明治以降には4回の中規模噴火がありました。1950~1951年(昭和25~26年)にかけては、三原山からカルデラ床に溶岩が流れ出し、火口南縁付近には噴石丘を形成しました。
このときの噴石丘が「三原新山」で、現在の伊豆大島の最高標高758mとなっています。
最近の火山活動
最新の噴火は1986年噴火で、 このときには割れ目噴火が発生し、住民1万人が島外に避難しました。
1986年(昭和61年11月15日)にも三原山「A火口」で噴火が始まり、19日には溶岩がカルデラ床に流れました。さらに、21日には三原山の北東山腹から北カルデラ床にかけてと外輪山北西山腹で割れ目噴火が発生し、「B火口列」「C火口列」を作りました。
←「1986年 C火口列」
2011年1月現在、伊豆大島火山は静穏な状態で、噴火の兆候は認められていません。
山頂火口とその周辺の噴気の活動は弱く、 火孔底の地表面温度は40℃前後で、大きな変化はありません。火山性地震は 一時的に増加することもありますが、全般に地震活動は静穏です。一方、地殻 変動の観測では、地下へのマグマ注入によると考えられる伊豆大島全体の 長期的な膨張傾向が認められています。これは、伊豆大島火山が現在も活動 している火山であることを示しています。
-火山活動解説資料:気象庁-